お盆の期間と地域ごとの風習の違いは?

2019.06.21

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日本では新暦、旧暦、月遅れの3つの暦
が併用されていますので、時に紛らわ
しいことがありますね。

 

といっても、日常使用されるのは新暦だ
けですが、季節行事などではこの3つが
全て使われることがあるのです。

 

お盆がその代表例で、関東では
新暦の7月13日~16日あたりが主流です。

 

これに対して関西では、8月13日~16日
が多くなっていますが、これはいわゆる
「月遅れ」のお盆ですね。

 

旧暦でお盆をするところは、現在では
少数派になっていますが、沖縄や奄美で
は今でも旧暦でお盆をしています。

 

旧暦では、7月半ばから、場合によっては
9月にずれこむこともありますので、日本
のお盆の時期は7月半ばから1月半以上の幅があります。

 

というわけで今回は、お盆の期間がバラ
バラな理由と、地域ごとの風習の違いな
ども見ていきましょう。

 

お盆の期間はいつから?

冒頭で書いたように、日本のお盆の時期
は、新暦準拠の所、その1月遅れの月遅れ
のお盆、旧暦でのお盆と、3種に別れています。

 

これを一覧にしますと、

  1. 7月盆 7月13日~16日
  2. 8月盆(月遅れ盆) 8月13日~16日
  3. 旧盆 旧暦7月13日~16日(新暦では不定)

ということになります。

 

7月盆は、

  1. 函館
  2. 東京都(多摩地域を除く)
  3. 南関東(主に都市部)
  4. 静岡旧市街地
  5. 金沢旧市街地

などで、行われていますが、全国的に見
れば完全に少数派となっています。

 

また、旧盆(旧暦のお盆)は、沖縄県、
奄美など南西諸島の一部のみです。

 

その他の地域では、
関西など日本の大半で、
月遅れの8月盆が行われています。

 

クリスマスやハロウインは、地域や民族
により多少のズレがあるにせよ、1月半
もずれるということはありません。

 

ではなぜ、同じ行事がこんなにばらばら
な時期に行われているのでしょうか?

 

なぜお盆の時期は3つもあるの?

日本のお盆の時期がばらばらな理由は、
暦法にあります。

 

暦法には、

太陽暦 太陰太陽 太陰暦
の3種があります。

 

太陽暦(グレゴリオ歴)は新暦とも呼ば
れ、現在世界の大半で使われています。

 

これはエジプト暦に始まり、ユリウス暦、
グレゴリオ暦と改良されて現在に至ります。

 

3種の歴の中では最も合理的
欠点も少ないのです。

 

太陽暦は、地球の公転運動、つまり地球
が太陽のまわりを1周する期間を元にし
て作られました。

 

私たちの感覚では1年は365日ですが、
正しくは「365.242199日」
なのです。

 

この0.242199日のずれを補正するために、
4年の1度の閏年があるわけです。

 

その閏年でも僅かなずれは残ります。

 

そのために「うるう年の法則」という
ものがあります。

 

  1. 4で割り切れる年はうるう年
  2. 100で割り切れる年はうるう年にしない
  3. 400で割り切れる年はうるう年

これで暦と実際のズレは極少になり、
実用上はほとんど問題はなくなります。

 

実は、これでも数値上のずれはごく僅か
に残るのですが、人間の感覚では全く
わからないオーダーです。

 

一方、太陰暦は、月の満ち欠けの周期を
元にして算定されています。

 

しかし、月の満ち欠けと実際の太陽の動
きには全く関係がないので、季節は
どんどんずれていってしまいます。

 

そのため、現在では太陰暦は全く使用されていません。

 

太陰太陽暦が旧暦と呼ばれるものです。

 

太陰暦の欠点を補うため、月の満ち欠け
と太陽の動きの双方を組み合わせた暦法です。

 

閏月を3年ごとに入れなければならない
などの欠点もありますが、太陰暦よりは
まだましなので、日本でも明治5年迄使用されていました。

 

その後、日本でも明治6年から太陽暦
(グレゴリオ歴)を使用するようになりました。

 

ところが、その時明治政府は、年間行事
の大半をそのまま新暦の同日に移行する、
という妙なことをしたのです。

 

しかし、それまでの旧暦での年間行事を、
そのまま新暦に移行すると、季節感など
はまるでずれてしまいます。

 

お盆にしても、
旧暦の7月15日は、新暦では8月下旬あたり
になります。

 

当然季節感はまるで違いますし、
いろいろと不都合があります。

 

まず、農村ではお盆が新暦7月15日頃だ
と、農繁期になってしまいます。

 

それに、季節感がまるで違うので、
お盆の風情など感じられません。

 

もう一つ、7月には祇園祭など他の大きな
行事もありますので、同じ月にお盆があるのは困ります。

 

そのようなわけで、明治政府のお膝元で
ある東京などでは、新暦の7月にお盆を
するようになりました。

 

しかし、関西などその他の大部分の地域
では、月遅れのお盆が行われるようになったのです。

 

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地域ごとの風習の違いは?

お盆の行事は、地域によりかなりの違いがあります。

 

お盆は二十四節気などとは違って、
季節の行事ではなく、
仏教の仏事から始まった行事なのです。

 

お盆の正式名称は、
「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言います。

 

先祖など亡くなった人々が、没後に苦し
むことなく、成仏してくれるようにとい
う、願いをこめた仏教の行事なのです。

 



お盆の由来

お盆の由来には、こんなエピソードがあります。

 

「目連尊者(もくれんそんじゃ)」
という釈迦の弟子は、ある時釈迦の仏力
により亡き母の没後の状況を知るのです。

 

目連尊者はなき父母の没後の様子を知り
たいと思い、釈迦により得た神通力で、
極楽やその他の場所を探したのですが、
どこにも見あたりません。

 

ところが、ふと地獄を探してみると、母
餓鬼道に落ちたため、逆さ吊りにされ
て苦しんでいたのです。

 

「盂蘭盆」という言葉自体、サンスク
リット語の「ウランバナ(逆さに吊さ
れる苦しみ)」を起源とするそうです。

 

それを知って、驚きかつ悲しんだ目連尊
者は、師である釈迦に母を救う方法を尋ねました。

 

釈迦は、

「7月15日に僧侶を招き、祭壇に供物を捧
げて供養すれば、お前の母を救うことが
できるであろう」

と教えました。

 

目連尊者がさっそく釈迦の教えに従うと、
母親はその巧徳により極楽往生をとげた
というお話です。

 

そしてさらに釈迦は、父母と過去7世の
祖先のために、7月15日に供え物をし、
施しをしなさい」と教えたのです。

 

つまり、先祖の供養ということですね。

 

日本でのお盆の行事は、13日の夕方に
迎え火を焚き、ご先祖さまの霊を迎える
ことに始まります。

 

そして、最終日の16日には送り火を焚い
て、ご先祖さまに帰ってもらう、というものです。

 

お盆では、キュウリとなすを供えますね。

 

キュウリは馬の例えで、少しでも早く先
祖を迎えるようにとの願いを表しています。

 

ナスは牛の例えとして、帰るときは「ど
うかゆっくりと帰りください」というこ
とからだといいます。

 

各地のお盆の風習は?

日本各地のお盆の風習は、随分と違うようです。

 

その中で珍しいもの変わったものを中心に、
紹介いたしましょう。

 

まず、
お盆に花火を上げる地域があります。

 

時期的にはお盆と花火は重なるのです。

 

しかし、どちらかというとおごそかな或
いは平穏な雰囲気のお盆と、賑やかな
花火はかなり異色の組合せですね。

 

岩手県ではお墓の前で花火を上げます。

 

しかも子供の遊びに使われるような小さ
な花火ではなく、爆竹やロケット花火
いったド派手な花火を打ち上げます。

 

さらには、東北地方の一部では、
墓石に向けて花火を打ち上げる
ところがあるそうですよ。

 

ご先祖様もさぞびっくりするのではない
でしょうか。

 

有名な長崎の精霊流しでも、花火と爆竹
は盛大に使われます。

 

その花火代は総計1億円にもなるとか。(笑)

 

新盆を迎えた人の遺影を背中に背負って踊る
ところもあります。

 

これは瀬戸内海の離島、
大崎上島のある町での風習です。

 

その遺影は遺族の人々が順に背負うので
すが、ご先祖の供養であるお盆には、
ふさわしい風習ですね。

 

沖縄のお盆はあの世で使うお金を供えます。

 

沖縄では、旧暦の7月15日を中心にお盆
をするのですが、あの世のお金といわれ
る「ウチカピ」を燃やすのです。

 

お札よりやや大きめで黄土色の「ウチカピ」
は、沢山燃やせば燃やすほど、
あの世で使えるお金が増えるとのことです。

 

北海道の真夏のハロウイン

北海道のお盆の行事で、「ロウソクもらい」
という子供たちの行事があります。

 

これはお盆の期間だけでなく、
8/7の七夕からお盆にかけて、
子供たちがお菓子をもらって歩くというものです。

 

子供たちは集団で、提灯などに火を灯し、
近所を練り歩きます。

 

その時に歌う歌が、
「ローソク だーせー だーせーよー」
で始まるので、ロウソクもらいといわれています。

 

しかし、実際にはローソクではなく、
お菓子やお菓子の代わりのお小遣いを貰います。

 

結び

日本でのお盆の期間は、新暦、月遅れ、
旧暦と、地域によって様々です。

 

  1. 7月盆 7月13日~16日
  2. 8月盆(月遅れ盆) 8月13日~16日
  3. 旧盆 旧暦7月13日~16日(新暦では不定)

というのがその一覧です。

 

新暦のお盆は、主として関東、旧暦は沖縄
などで、大半は月遅れでお盆をします。

 

お盆は地域によってかなり変わった風習があります。

 

お墓に向かって花火を打ち上げたり、
遺影を背負って盆踊りをしたりする所もあります。

 

また、ハロウインのようにこどもたちが
近所を練り歩いて、お菓子を無心する
地域もあります。

 

そんな変わった風習を知るのも
また楽しいものですね。

 

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「捨て子のサウルス」です。 気張らず無理せず気ままに書き散らすつもりですので、お気軽に読んでくださいね。

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